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「転職」仕事選びで詐欺に遭いかけた話

どうも。「ざっきぶろぐ」です。

 

久々の投稿になります。

 

突然ですが皆さんは詐欺に遭ったことがありますか?

 

もちろん、詐欺に遭う人の方が少ないですし、自分はそういう状況になっても詐欺になんて遭わない、と考えると思います。私もその1人でした。

 

オレオレ詐欺の電話が掛かってこようものなら、わざと引っ掛かったふりをしてギリギリまで頷きながら話を聞き、振り込む直前で「詐欺だろ?」と暴きたい。そんな変な妄想を膨らませながら布団に入った事もあります。

 

詐欺に遭うのは純粋無垢の目を輝かせた子どもか、頭の記憶力がどんどん薄れていく年配者だけかと思っていました。

 

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事の発端は仕事選びだった。

事の発端は11月に入った先日のことでした。

 

「外はすっかり薄暗くなり日が沈むのも早くなった。もう今年も終わるなあ。」

 

そう考えていたこの頃、私は在宅で出来る仕事を探すことにしました。

 

というのも、サイトの運営だけで生活するのは予想以上にしんどく、他の仕事と並行しながら生計を立てる方がメンタル的にも楽だと思ったからです。

 

私の周りでも、本業の他に副業をしている人が多かったせいもあり、仕事2つ、3つ掛け持ちはなんらおかしなことではない、至って普通の事と感じていました。

 

それで仕事を探し始めた訳です。

 

まず、Googleと書かれた見慣れた検索ボックスに文字を打ち込みます。

 

「在宅ワーク」

「在宅ワーク 転職」

「アルバイト 在宅」

「在宅 コールセンター」

「在宅ワーク メール対応」

 

検索履歴に転職に関する事柄がどんどんと増えていく中、ある求人に目が留まりました。

 

「メール対応スタッフ募集、在宅で月々10万!」

 

恥ずかしながら私はコミケ能力が高いとは言えません。声を大にして「人見知りです」と言えます。

 

人見知りなら声を大にして言えないはずだ、と言われればそれまでですが、私が言いたいのは、そのぐらい人と喋るのが恥ずかしいという事。

 

どれほど目を合わせればいいのか分からないし、どれほどの距離感で話せばいいのか、大勢いる時のディスカッションになると誰に向けて話せばいいのか、内輪ネタを話せば笑わない人も当然出てくる、じゃあ皆がウケるネタをチョイスしないといけない。

 

でも、そんな会話のスキルも無ければ話す内容もない。話せるネタと言えば、朝コーヒーを飲む時、コーヒーのカスがコップに入ってしまいました、というくだらないほっこりエピソードだ。

 

こんな私にとって「メール対応スタッフ」という言葉は妙に魅力的に映りました。

 

「コール対応センター」と聞くとウエッと吐き気をもよおしますが、「コール」が「メール」に代わるだけで、なぜか不気味な笑みがこぼれます。しかも在宅で出来るんです。こんな良い仕事はない、と思い早速メールを登録し連絡を待ちました。

 

メール対応スタッフに応募してみた

連絡は驚くほど速いスピードでした。私はこの時点ですでに数十件の募集に応募していました。連絡がない会社もあれば、数日経って連絡が来る会社もありました。

 

中には「トライアルを受けて欲しい」とまで言って下さる会社もあり、実際に書類審査を受けました。結果はあまり芳しいものではありませんでしたが。

 

でも、どんな会社よりも速いスピードで連絡がきた求人があったんです。それこそが、この「メール対応スタッフ」の募集でした。応募してから数十分で連絡があり、そのメールには名前を教えて欲しいとの記載がありました。

 

「詳しい内容を話したいのですが、お名前と電話番号と電話しても良い時間帯を教えて頂けますか?」

 

「〇〇です。夜ならあいています。」

 

「分かりました。では〇曜日の〇時にお電話します。」

 

そのメール内容は非常に丁寧で、今まで受けたどのオンライン面接よりも良いものでした。こんな報連相のしっかりできた会社は信頼できるに決まってる。私はこの会社と共に頑張ろう。そう思えてきました。

 

その日の晩は、他の求人を探すことをやめ、そのままベットに潜り込みました。今まで不安だった思いがスーと無くなりこれで生活が楽になるという安心感と睡魔に急に襲われ気が付くと朝になっていました。

 

問題の夜。

次の日の晩。いつも以上に心の準備をして望む私に、もう1人の私が呼びかけます。

 

「電話なんだから服装はそのままでいいでしょ。」

 

「いやいや、一応面接だから、たとえ家の中でもしっかりした服装で緊張感をもって望みたいんだ。しかもメールとは違い電話だよ?自分の話口調や喋る雰囲気で人柄が分かるんだ。相手が合わないと思えばそれまでだし、今までやってきたことが全て水の泡になるんだ。緊張しないわけがない。」

 

そんなやり取りを頭に浮かべながら、私はパソコンを置いた机の前に座ります。服装はもちろんパジャマではなくポロシャツです。下はスウェットではなくジーパンで臨みました。

 

「机に座っているんだから例えスカイプ電話であっても下は映らないでしょ。」

 

「いやいや、下こそしっかり履かないとやる気が起きないんだ。」

 

またもう1人の自分が出てきて呟きます。そんなやり取りを頭に浮かべながら、椅子に座りコーヒーを飲む私。指定された時間が迫ってくるにつれ、妙な不安が頭をよぎりました。

 

もし、上手くいかなかったらどうしよう...

 

ここで失敗したら、また仕事を探さないといけません。今までの数日間が水の泡になってしまいます。「メール対応スタッフ」に全てを掛けていた私はこの時、面接30分前に急に慌ててしまいました。

 

ですがこういう時こそ今までの経験がモノをいうもの。サイト運営を3年以上続けてきた私にとって ”調べ物ならネット検索” という脳が出来上がっていました。

 

ネットで検索すれば全ての問題を解決できる。

 

そんなネット社会に絶大の信頼を置いていた私は、これから電話がくる会社について調べてみました。Google検索の下に表示された1ページ目に出てきたサイトは、作りかけのホームページで畑の中の農村にある1軒家を住所とする会社でした。

 

一瞬あっけにとられましたが、すぐに考えを改めます。改めるというか、ここで引くわけにはいきません。数日掛けてやっと見つけた求人でしたし、ここで白紙に戻せば相手方にも悪いと思ったからです。

 

そうこうしているうちに電話が鳴りました。

 

私がこれから転職し何十年も共に生きていくかもしれない会社です。いや、下手すると死ぬまで一生お世話になるかもしれない会社です。農村地帯の瓦屋根でそこに行くまでストリートビューも入らないような企業ですが、私が一生懸命探した求人なんです。

 

ホームページは出来かけでクリックしても押せないボタンが幾つもあり中途半端なサイトでしたが、それでも時間通りに電話が掛かってくるので信頼できる会社なんです。

 

恐る恐るスマホの「電話に出るボタン」を押しました。すると、若い男性の「もしもし」という声が聞こえてきました。

 

数十分のやりとり

「もしもし?」

 

「あ、もしもし?先日メールした〇〇です」

 

「この度は応募して頂きありがとうございます。」

 

「いえいえ」

 

「念のため、お名前を教えていただけますでしょうか。」

 

「〇〇です」

 

「〇〇様ですね。ありがとうございます。では、仕事内容についてお伝えしていきますね。」

 

「え?あ、はい。」

 

仕事とはこんなに早く決まるものなのでしょうか。転職に面接というものは存在しないのでしょうか。普通どういう人柄なのかを知ろうとするはずなのに、その気持ちが全く伝わってこないんです。あまりの覇気のなさにこちらが拍子抜けしてしまいました。

 

そして電話は続きます。

 

「仕事の内容はハッちゅふぎょうふになります。〇〇さんははっちゅフぎょうふはされたことありすか?」

 

「はい?あぁ、発注業務ですか?いや、初めてです。色々仕事を探していて、在宅でメール対応のスタッフが出来るという事だったので、今回応募したんですが...」

 

「ありがとうございます。初めてでしたら仕事内容を順番にお伝えします。内容は主にはっちゅふぎょうふになります。全て在宅で行うことができ、尚且つやればやるだけお金がもらえます。出品作業を行い売れればその分お金がもらえます。まずは〇〇様のクレジットカードを使用して商品をこふにゅうしていただき...」

 

何を言っているのか微妙に聞き取りづらいけれど速くて軽快な口調。明らかにマニュアル通り読んでいるような抑揚のない真っ直ぐな言葉。相槌を打つと途中で言葉が止まりまた聞き返してくる、まるでAIと喋っているかのような会話。

 

クレジットカードの時点で私は目が覚めました。

 

「あれ?これって...。」

 

農村地帯にポツンと立つ一軒家が脳裏をよぎります。一瞬綺麗に見えるがクリックできないボタンのある不思議なホームページを見つめながら。

 

本当にあの瓦屋根の下で仕事をしているのだろうか。電話番号も載っているししっかりしたサイトに求人も出ていたが、本当にこの会社は存在するのだろうか。

 

これがいわゆる「〇〇の手口」というものなのだろうか。今までドキュメンタリー番組でしか見たことが無かった。年配の女性が輝いた瞳にモザイクをかけられながら「気が付いたら振り込んでたのよ」と語っているシーンを思い出した。

 

これはだめだ、踏み込んではいけない職種だ。ふと我に返ったが、そうこうしているうちに話は進み、気が付くと「さらに詳しい情報はまた後日電話しますがどうされますか?」と言われてしまった。

 

私は「いや~ちょっと他の仕事も探してみます~」と言うのが精一杯でした。

 

すると相手の男性は「そうですか、分かりました」とあっという間に引き下がり、すぐに電話は終わってしまいました。

 

私に残されたのはスマホの受話器から聞こえるプープーという音と、何日もかけて心の準備をしていた面接に落ちてしまったという謎の虚無感でした。

 

これは一体、なんだったのでしょうか。