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雑記ブログ卒業

生活に役立つ雑記ブログ

君が僕に残した夏の思い出「特別お題」~おもいでのケータイ~

特別お題「おもいでのケータイ」

 

思い出というのは時に人を傷つける。しかしそれと同時に新しい出会いでもあるんだ。僕はこれまで様々な携帯電話と出会ってきた。時にはすぐに別れたこともあったよ。あの時は辛かった。

 

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君との出会い

その携帯は今でも大好きだ。夏になるといつも思い出す。最初の出会いは僕の一目惚れだった。あの日も暑い夏の日だったな。ネットで某キャリアのサイトを見ていた時だったね。一瞬で惚れたよ。これしかない、って思った。間違いない。これこそ僕がずっと願っていた必要なものだ。

 

通話に重きが置かれていてメールも出来る。でもネットにはちょっと疎い。小さいからすぐにいなくなる。でも僕はそんな君が好きだった。だって僕にはルーターという強力な見方がいるのだから。

 

そう。君が使えなくても僕は大丈夫だよ。心配しないで。ルーターがいるかぎり他の端末でネットは使えるからね。そういう若干無理やりにも聞こえる言い訳をして僕たちは結婚した。でもこういう時に限って君はずるい。

 

なぜか2年シバリを要求するんだ。てっきり僕は君と一緒に最後まで生活するつもりだった。だからどうして2年シバリという良く分からない契約をするのか分からなかった。でも僕は君に一目惚れをしていたからね。そんな2年シバリなんて言葉は全く入ってこなかった。

 

ネット上に小さく書いてある契約書なんて見ていなかったんだ。

 

楽しい毎日の生活

それからという毎日。とても楽しかった。僕は君と毎日会話した。君が疲れている時は休ませ、いつも頬を寄せた。君は常に安定して僕を支えてくれた。時として君を壁に投げつけたときもあった。でも何も言わずに次の日の朝、変わらず起こしてくれた。

 

そんな君が僕は好きだったんだ。

 

あっという間に半年が過ぎ、やがて1年が経とうとしていた時。この楽しい毎日の幕切れはあっという間だった。君の調子が急に悪くなったんだ。最初はいつものように休ませてあげたよ。でも君の容態は徐々に、いや確実に悪化していった。

 

僕はすぐに君の容体を心配して病院に連れて行ったよ。その時はもう君はすぐに疲れるようになっていた。やがて医者は僕に一つのレントゲン写真を見せたんだ。そのレントゲンには君の心臓がバンバンに膨れ上がった姿が映っていた。

 

これを俗に「メモリー効果」というらしい。

 

僕はなすすべがなかった。医者は僕にこういった。「決めるなら今ですよ」と。どうして。どうしてこんな早く別れが来てしまうんだ。まだ一緒に一年しか暮らしていないじゃないか。2年シバリって言った君の姿が頭の中をよぎった。もしかして君はこの日が来るのを分かっていたの?どうして先に正直に言ってくれなかったんだ。

 

怒りがこみ上げた。その日、帰路に就いた僕の家のポストに一通の封筒が入っていた。中を開けると「新発売」という文字とともにキレイな液晶画面がこっちを見ていた。

 

今までもポストに同じような封筒は入っていた事がある。僕はそのたびにすぐにゴミ箱へ捨てていたよ。君が好きだったから。君の代わりなんて考えたこともなかった。でも今回は「新発売」という文字ときれいな液晶画面につられてしまったんだ。

 

その一週間後。

 

僕の手のひらには「Sony Xperia」という文字が描かれた液晶画面が握りしめられていた。そう。僕はついに新たな旅立ちを決めたのだ。今でも時々君を思い出すよ。

 

君が僕に残してくれたもの。

 

それは大切な君との思い出。

 

ではなく君が残した分割金である。僕は今日も君の為にせっせと働いているのだ。

2年しばりの意味を今になって知った。

 

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